[Film] 『探偵はBARにいる』の感想

映画『探偵は BAR にいる』の
ネタバレを若干含みます。

9 月中旬以降、見たい映画が目白押しで困ります。
『探偵は BAR にいる』『グリーン・ランタン』『ミケランジェロの暗号』『サンクタム』『アンフェア the answer』『世界侵略:ロサンゼルス決戦』『ラビット・ホラー 3D』『モテキ』『セカンドバージン』。
シネマイレージの各種サービス使える TOHO でやってない作品も多いので何とかして安く見るべく、前売り探したり、レイトの時間帯に見れるようスケジュール調整したり。1,800 円はキツいし。

そんなわけで、まずは『探偵は BAR にいる』をレイト鑑賞。

探偵は BAR にいる [★★★☆☆]

札幌ススキノを根城にする探偵(大泉洋)と、その相棒兼運転手・高田(松田龍平)による、レトロな雰囲気漂うライト・ハードボイルドな探偵モノ。松田優作の『探偵物語』を彷彿とさせてくれます。
まず探偵である“俺”の名前が明らかではない。探偵は探偵。これが良い。
依頼は BAR の黒電話で受ける、名刺の代わりにその BAR のカード、っていうのも良い。もうたまんない。
高田のキャラも独特。“軽い”探偵と真逆、タメ口で口数少なめでマイペース。高田のボロい愛車を罵倒する探偵に真顔で「(車に)謝れ」とか。しかもこの人がまた強いわけです。見てて楽しくなる良いコンビ。

冒頭のアクションシーン。
カメラワークがいいのか本当に殴ったり蹴ったりしてるように見えましたな。
そしてこのシーンだけで 2 人の関係が判る良い仕上がり。
アクションシーンはこの後も数度ありますが、高田はいちいち格好いいです。 探偵さんも強いんだけどさすがにトシか、若干やわらかめ。
アクション以外では、松田龍平さんのアドリブが冴えまくってます。「メガネは、メガネは……」とか「俺こんな高い店払えねーぞ」とか。これらは台本じゃないそうで。こういうのが自然と出てくるところが素晴らしい。

おはなし。
探偵さん、自ら危険な領域に踏み込んだにしてはその後警戒が足りなくないか。最初のは仕方がないとしても二度目は見てるこちらも「ヤバいって! 絶対そうなるって!」と思ってました。
なんちゃら道場のシーン。それ言っちゃうと明らかにあのおっさん始末されるよね。
そのおっさんの家のシーンがかなりハードでした。大泉洋さん主演だけどコメディじゃないってことをいいタイミングで再認識出来ました。
誰がそうか、はだいたい予想がつきます。最後の依頼の意味も。ので高田との掛け合いや、モノローグとまるで合ってない探偵の行動を楽しむ作品だと思います。
観客に推理してもらう部分が弱いので★ 1 つマイナス。でも面白かったよ!

両手縛られて雪の中に埋められたり、意識がなくなるまでぼこぼこに殴られたり。それでも復活してくる生命力はさすが探偵さん。タフですな。
探偵さんを取り巻く人々も個性豊か。個人的に探偵さんが朝コーヒーとナポリタン注文してる(これもいいっすなあ)喫茶店の看板娘さんイチオシ。
今後のシリーズ化が楽しみな作品です。ご当地映画だし、日ハム選手が特別出演とかやれそう。コンサドーレの方は ―― J1 に上がったら……。
時間が合えばもう一度見たいス。

スタッフロールに高嶋政伸さんの名前があって、バイの新聞記者さんの“恋人”の写真として出てきただけなのに扱い大きいな、と思ったら ―― そうかカトウか……。全然気付かなかった。

[Film] 『日輪の遺産』『Insidious』の感想

映画『日輪の遺産』及び
『インシディアス』のネタバレを若干含みます。

映画が 1,000 円のファーストデイ。
加えていま TOHO シネマズではインターネットでチケット買うと 100 円引き(~ 09/30 マデ)キャンペーン中。なので 900 円。

TOHO 上大岡の上映作品のうち、『仮面ライダーオーズ / 海賊戦隊ゴーカイジャー』には興味なし、この日から公開の『ライフ』は 85 分しかなくてシネマイレージ的に勿体ない(1min = 1pts)、他はフリーパス使って全部見た。
てことで久しぶりに TOHO ららぽーと横浜へ。

日輪の遺産 [★★☆☆☆]

とある若き陸軍将校が極秘任務の命を受けるが、国内の徹底抗戦派や米軍による妨害、仲間の裏切り、さらには協力者として選ばれた多感な少女達の巻き起こす様々トラブルに翻弄されるも、数多の犠牲を払いつつ最後にはとうとう完遂させる! 的なサスペンスムービーかと勝手に思ってましたすみません。
もちろんぜんぜん違います。

極秘任務と言うけど、映像からそういう緊迫感は一切伝わってきませんでした。
トラブルらしいトラブルも起こりません。
友達が貧血、箱落としちゃった、とそのくらいのもんです。
日本はまさに降伏前夜。徹底抗戦を掲げる青年将校らはクーデターを画策。しかしそんな空気からは隔絶され、多摩の山奥で物語は淡々と進みます。
ぶっちゃけ眠くなりました。

玉音放送を聞いた後の少女達の行動。
野口先生(ユースケ・サンタマリア)は一時憲兵隊に連行されるなど、当時の日本では決して許されない非常にモダンな考え方を持っていたと思われます。……その生徒である彼女らには“そんなことやっちゃいけない”と理解していて欲しかった。きっとあの場に級長が居たなら結果は違っていたことでしょう。とても残念です。
結局遺産は米軍に発見されてしまうけど彼女らのおかげでそのままにされたわけだし、あの行動は確かに意味があったのだ。と物語としては納まっており。
少女達の行動とその結果。日本人に対するマッカーサーの抱いた畏れ。……これだけを見ればそれらを「賛美している」とも受け取れます。

終盤。
繰り返し聞かされるあの歌はなんだか不快。
国際競争力の低下や社会不安などから右側に傾きつつある日本ですが、それに警鐘を鳴らす意味合いもあるのかも。
ある面で賛美したり、しかし警鐘を鳴らしたり。こんな時代は左右のバランスが大事だヨ☆ ってことかしら。

あと赤鬼さんはロリコン。

インシディアス [★☆☆☆☆]

海外のホラー映画は(根底にある宗教観の違いなどもあり全然怖くないから)あまり好きではないけど、でも最近のやつはどうだろう? と見てみたんですがー。
やはり同じでした。怖くない。面白くもない。
怖かったのは序盤の、赤ん坊の部屋のシーンくらい。

要するにあのばーちゃんの作戦勝ち、って事でしょうか。
タイトルにも合致するし。
ていうかタイトルの時点で相当ネタバレですな。
それにしてもダメダメですね。せっかく汚名返上のチャンスだったのに。

やっぱ幽霊とか悪魔とか、そう言うのが映像として出てくるホラー作品に“当たり”はありません。
再確認させてくれて有り難うございます。

[Film] 『神様のカルテ』の感想

映画『神様のカルテ』の
ネタバレを若干含みます。

この日を以て TOHO 1 ヶ月フリーパスの有効期限終了。

20110728 ダークサイド・ムーン ★★★☆☆
20110729 小川の辺       ★★★☆☆
20110730 H.P.と死の秘宝 #2  ★★★★☆
20110730 カーズ 2       ★★☆☆☆
20110731 ロック~わんこの島~ ★★☆☆☆
20110802 コクリコ坂から    ★★★☆☆
20110802 ビクティニと白き英雄 ★★★☆☆
20110803 ビクティニと黒き英雄
20110803 NARUTO 2011     ★★☆☆☆
20110816 ツリー・オブ・ライフ ★☆☆☆☆
20110816 こち亀 THE MOVIE   ★★☆☆☆
20110819 カンフー・パンダ 2  ★★★★☆
20110819 HOP         ★★★★☆
20110820 うさぎドロップ    ★★☆☆☆
20110827 神様のカルテ     ★★★☆☆

計 15 本。まあなんとかギリギリ納得できる結果。
本当は 20 本以上見たかったんだけども、上大岡はベッドタウンだし 8 月は子供向けの映画を優先するのねー。故に数を稼ぎたければ川崎・鴨居まで出なきゃいけない。暑い上交通費の問題あり、なかなかそこまでの気合は出ず。
この結果を踏まえて次回のフリーパスは春秋に交換しようと思います。
つってフリーパスなくなりそうだけど。

神様のカルテ [★★★☆☆]

栗原一止役、櫻井翔さんの演技力に若干不安を感じていたものの、見て納得。あの独特の、常にけだるそうなキャラクターには演技力それほど必要ありませんでした。基本的にぼーっとしてりゃいいんだし。そしたら見てる側が「ああいまこんな事考えてんだな」と勝手に補完してくれる。なのでむしろ下手な方が良い。これは非常に良いキャスティング。

中小医療現場の救急医療の現状から入り、次に大きな病院に舞台を移して人員や設備の差を描き、無医村地区医療の問題にも触れ、最後にまた元の医療現場へ。それぞれの現場がそれぞれに抱える問題点を自然に物語に溶け込ませており、医療ドラマにありがちな押しつけがましさは無く、その点好感度高いス。
とはいえ、押しつけがましさがないと途端に薄味になってしまうのも医療ドラマなんですが。
お医者さんは割り切りの商売で、主人公も割り切ってはいるけど、他の医師よりほんのちょっと割り切り度が足りてなかった、というのがメイン。見方を変えると、そのカルテを書く時間で他の患者さんを見たり、十分な休息を取ったりした方が良かったんじゃないのか? とも言えるわけで。
美談ではないし、答もないわけです。
主義主張をどんとスクリーンに置いてくれると目立つから助かるんですが、それがないから“結局何が言いたいのか判らない”、という感想も出るかもしれません。

御嶽荘でのヒューマンドラマ。
栗原医師に「毎日迷ってるよ」って言わせる為逆算してああなったんだろうけど ―― あまりに(旅館をアパートとして使ってることや、その住人など)浮世離れしてていまいち実感がわきません。栗原夫妻の雰囲気に俗世、例えば普通のご近所付き合いだったり、スーパーに買い物に行ったりは全く合わないし、その 2 人を置いておく舞台装置としてはパーフェクトなんですが。
御嶽荘について、そこがどういった場所であるのか、また住人のパーソナリティの説明はほとんどないため、唐突感は否めないです。……夢の時間は終わった、って。ダメ人間がやっと実家に帰る、ってだけの話をわざわざ感動巨編ぽく描く意味がちょっとわからない。

ギリギリで救急を回してるところに、更なる救急車の受け入れ要請の電話がかかってきて、そこで看護師さん静かに首を振るんだけど、あそこ重かったス。あと栗原医師の「もういい、やめよう」も。

全体的に薄味ではあるけど、バランスの取れたいい作品だと思います。
所々、栗原医師とその同僚の看護師さんの掛け合いなど、笑わせてくれる箇所もあり。奥さんの耳打ち後の栗原医師の慌てようも良かった。