でする?(跡地)

2011/04/07 を以て更新を終了。
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  栽培キャラの冒険

 ほんの気晴らし。
 確かに子供の頃の夢は冒険者になることだった。普通の農家に生まれた平凡な娘の夢としてはあまり一般的ではなかったかもしれないが、子供の世界に於いてそんなものは誤差の範囲だ。それにもちろんその夢は現実となりはしなかった。現在はとある冒険者の雇われとして氏の持ち帰る珍品財宝の管理と不思議な苗の世話をしている。
 成長した苗は色とりどりの鉱石を実らせる。何度見ても不思議なものだ。その収穫品を主に送った帰り、ふと覗いたバザーにその剣があった。
 年月に汚れた、しかしよく手入れされた剣。
「店じまいなもんでね。どう? それ」
 と彼が言った。他にも様々なアイテムが並ぶ茣蓙のあちら側、戦士のアーティファクトに身を包んだ、素人目にも歴戦の猛者と判る同族の男性。
 ……要するに、冒険者であることをやめるのだろう。
 彼のこれからが幸福であることを願い、その剣を買い求める事にした。彼が初めて握ったものだというその剣は重すぎず軽すぎず、体の小さい彼女にも楽に扱えそうだった。

 別に、「一度は諦めたが、しかし夢は忘れ難く……」等という、目の院の図書館によく置いてある本のような感情があったわけじゃない。本当に、ほんのちょっとした気晴らし。それだけだった。
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 彼女の『冒険』はそのようにして始まったのだ。

 ……て言うかまたタルか!
 あ あ 、 ま た タ ル で す る よ ヽ(`Д´)ノ
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