最高気温 27.6 度まで上がった 05/22 日曜日の横浜。
……そろそろあいつの出番か。
額ににじむ汗を感じながら、俺はそんなことを考えた。
あいつとは長い付き合いだ。
LINDBERG が『今すぐ Kiss Me』を歌ってた頃から。だからもう 20 年以上になる。
殴り合いのケンカもよくやった。だがあいつになら安心して背を預けられた。いや、あいつしかいなかった。
どんなに過酷な戦場も 2 人で生き抜いてきた。もちろん次も、次の次も、それはずっと変わらないと思っていた。
「よぉ。そろそろ来る頃だと思ってたぜ」
ベッドの上のリチャードは痩せ細り、まるで別人だった。
丸太のようであった腕など見る影もない。
「リチャード、お前」
「見ての通りだ。俺ぁもう動けねぇ」
そう言って口の端を上げる。
「ったくよう、俺ぁいったいどの戦場で、どんな下らない野垂れ死に方をすんのか楽しみにしてたってのに、お前と組んじまったおかげで全然死にゃしねえ。傭兵がベッドの上で死ぬってか? こんな締まらねぇ話があるかよ」
「治らないのか」
「無理だな」
左腕をサイドテーブルへ。わずか数十センチの腕の移動にリチャードの顔が歪む。
そこに伏せてあったハードカバー。タイトルは『エンダーのゲーム』。顔に似合わずリチャードは読書家だった。
それを持ち上げようとするが、動かそうとしているのだろうが、左腕は全く反応しない。
「遂にこんな軽いモノすら持てなくなっちまったか。日に日に筋力が落ちて行きやがる」
俺は何も言えなかった。しかし、何か言わねば ―― とようやく絞り出した言葉は「なぜ」だった。
なぜお前がこんな事に? なぜ俺に今まで何も言わなかった? どちらの「なぜ」かはわからない。何もわからない。
「んな顔すんない」
よほど混乱した表情をしていたのだろう。
「ま、俺はもう十分楽しんだ。お前は新しい相棒とよろしくやってくれや」
「スティーヴ……ッ!」
「最初と名前違うし」
新・相・棒ヽ(`Д´)ノ
要するに ―― 暑くなってきたんで押し入れから扇風機を出したんだけどファンが廻らなくなってて。
上の通り 1990 年、まだわしが実家にいた頃から使ってたわけだし、いい加減いつ寿命が来てもおかしくはなかったんだけど。でもまさか本当にそうなってしまうとは。あいつは、リチャードは永遠にわしの側に居るものとばかり。しばし呆然。
しかし冷静になってみるとこれは由々しき事態。電力不足の夏はすぐそこまで来ているというのに!
で、慌てて Amazon で新相棒をポチり、それが今日届いた次第。
なんと今度の相棒はリモコン付き! もう土台をべしって叩かなくても(リチャードはそうしないと反応しなかった)、椅子に座ったままタイマー操作しようと足の指でダイヤルつまんだら足の指とふくらはぎ同時につっちゃって一人でもだえ苦しまなくても良いのだ!
さらに消費電力も 90 年生まれのリチャードより少ないと思われます。頑張ろう日本。でもメイン節電はクーラー等を設置してるおうちにお願いしたいところでありますはい。扇風機も切れとか言われたら死ぬ。死んでしまう。
さて、買ってきたのは良いんだけど ―― 月曜日から雨で気温だだ下がり。
彼、ことロバートの出番はもうちょい先のようです。
LINDBERGは初めて買ったCDでした(´ω`)
うちも扇風機ほしぃっ
■同鯖の黒樽さん:
とにかくバンドブームでしたなあ。
あの頃は各クラスに 1 つ以上バンドがあったように思います。
あとデカうちわで夏の準備は完ぺきです。
今年は AKB48 うちわでいきます。