[Film] 『プリンセス トヨトミ』の感想

以下、映画『プリンセス トヨトミ』のネタバレを若干含みます。

『プリンセス トヨトミ』見てきました。レイトで。1,200 円。1,800 円とかもう絶対無理。
『アジャストメント』『マイ・バック・ページ』など他作品もレイトやってたんですがタイトルに惹かれてこの作品をチョイス。
この判断は果たして正しいか否か、いざ尋常に勝負。

プリンセス トヨトミ [★★☆☆☆]

見終わった直後の感想 → これはなんと難しい映画か。
この世界について行けない自分がダメなのか、と悩んだくらい。

原作読んでおらず、タイトルと予告編と“大阪”でコメディなのかと思ってたんですが、冒頭の数分で「あぁそっち方向スか! スンマセン!」となり、背筋を伸ばしたら「やっぱコメディなんスか?」となり、再度肩の力を抜こうとしたら今度はまた別の方向へ。もう、パニック。
多分、基本コメディで進めつつもキメるところはキメる、要するに『踊る大捜査線』シリーズのような作りにしたかったんだろうけど。……それに失敗するとこうなっちゃいますよ、と言うことか。
伝えたいと思われるテーマはたくさん見受けられ、そのうちのどれがメインかも判るけど ―― 他のテーマの存在感があまりにも大きすぎて咀嚼の邪魔に。どれもこれも“それだけ”で 1 本映画が作れるようなテーマだし、見てるこちらも当然それについての話の広がりを期待するわけです。なのに、中盤以降、並べられたものの中で最もメインじゃなさそうなテーマが前面に。こんなんで頭に入るわけないです。他が気になって気になって。

大阪国に全くリアリティがない、のはそういう原作だし仕方がないのか。
でもそこにリアリティがないからメインのテーマにも取って付けた感が漂います。
だいたい「公にされたら終わり」てのがまずわかんないし。公にされても別にいいんじゃ? そういう約定があり、政府もそれに従ってお金出してるんだし。一介の監査員が大阪国とか荒唐無稽なこと言い出したところで大阪国民以外誰も信じないし。国家機密だろうから圧力かけて潰せそうだし。

個人的には、彼の行動に共感します。
むしろ彼の計画が映画のメインでもいいくらい。
ところで「真田さん」には全く気付かなかった。

必要かどうかは判らないがそれを信じてる人間が存在する事は理解、との松平さんの結論。
その後松平さんもあの通路歩くけど、それでも解り合えたわけではないと思うのです。
己と価値観の異なる人間が存在するという事実は理解しろ、ただし関わるな。
いやまあ確かに現実的な解決策ではありますが。
わざわざ映画で言われるほどの事でも……。

富士山の十字架。なんだあれ (゚Д゚)
豊臣秀吉はたしかキリスト教の宣教師を追放したような。それと関係が?
あるとすれば、100% 「かわいそう」で描かれてる豊臣側も後ろ暗いコトあるんだぜ的な徳川派に対する配慮か。なんでそれを幼い鳥居が見たのかって話になるけど。

ラストは良かったス。
大人はね、仕方ないよね……。

キャスト。ちょい前に SP 見たばっかだから堤さんがどーも尾形に思えて。服も似てるし。
沢木ルカいいすねー。この子を大輔役にすれば良かったんじゃなかろうか。
大輔役の子は ―― 性同一性障害って言うよりも女装癖のある子にしか見えず。自分では女と思ってるんだから立ち振る舞いも女性っぽくなるものじゃない? 全然そんなのなくて。子供にそんな役難しいだろうけども。

さて、勝負の方はどうであったか。
……ひ、引き分けだッ! 中盤、大阪国の存在が真田の口から語られるまではそこそこ楽しめたから決して負けではないッ!