[Film] 映画『もしドラ』の感想

以下、映画『もしドラ』のネタバレを若干含みます。

初動 1.8 億 / 316sc でどうやら苦戦中
……いやその前になんで前売りに握手券とか選挙権を付けなかったのか。それをやっても許される限られた素材でしょうに。ああもったいない。この映画の制作・宣伝責任者こそドラッカーに学ぶべき! 顧客が何を求めているか知るべき!!
そんな映画版『もしドラ』を見てきました。タダで。

もしドラ [★★☆☆☆]

2 アウト 1 塁 2 塁なのに、バッター打った瞬間ランナー走り出さない野球をわしは知らんです。走ってたら滑らなくても余裕でセーフだったよね。
あとアニメ版にもあった、2 塁埋まってるのに 1 塁ランナーのリードがやたら大きい件。あれは、野球知ってるヤツなら「は?」となる、ぶっちゃけ“意味のわからないこと”をやることで動揺と混乱を誘ってるみたい。確かに混乱しました。はい。
さらに言うと ―― エースのピッチングフォーム。重心上すぎ。見事に腕だけで投げており。膝汚れてないし。……いや、腕だけで投げて甲子園行けるんだから相当才能ある投手なのかもしれない。ああだから「このチームは強くなる」のか。高校野球なんて 90% 投手の才能で決まるもんね。
そんなエースピッチャー。決勝だったか、内角に実に良い球投げてたけど ―― あれは VFX かしら。1 球だけの。
明らかにピッチャーに打球当たってるのに全く気にしないキャッチャーも凄いスね。
もう一つ。出てくる投手ほぼ全員、モーションの途中で止まってるんだけど。これって今 OK なの? 球技大会で「投球動作止めんな」って審判だった野球部に言われた記憶あるんだけど。
バッティングも手だけで振ってる選手多く。前田さんとか、ゆうのすけとか。あとゆうのすけとか。
ゆうのすけは守備でも魅せてくれて、エラーしたあと棒立ち。ランナーの進塁状況を見るでも、ボールが逸れたときの事を考えてカバーに入るでもなし。ただボールをボケーっと追うだけ。高校まで野球やってきたヤツなのにまるでエラー慣れしてない。そんなエラー慣れしてないヤツを、一般的に一番守備の巧いヤツが担当するショートストップに置いた上、あんだけエラー繰り返されても外さない。このチーム野球の常識を打ち壊しすぎです。いのべーしょん;;

つってもまあ、わしの本職はサッカーなんでもしかしたらこれが今の高校野球のトレンドなのかもしれんですが。
個人的、見てて安心できたのキャッチャーの子と対戦相手と審判だけでした。
野球のシーンもぶつ切りぶつ切り。別々に撮って試合っぽく繋げただけ。臨場感は皆無です。

ストーリーはアニメ版とほぼ同じ。なので原作もほぼ同じなのでしょう。
ただ映画版はアニメ版と違い「夕紀(入院中のマネジ)はかなり弱ってる」という演出が入るので、唐突に思われるお涙頂戴劇にもそれほど違和感なし。唐突は唐突なんだけど。
セリフ別録りなのか、口の動きとセリフがあってないシーンが数ヶ所。
マシンの球打ってるの前田さんじゃないよね。
石塚さんと青木さんのシーン。あそこコメディ調にする必要あったの?
ラスト。前田さん全く泣いてない。その点、峰岸さんの方が芝居巧いス。
前田さんは動かないところは全く動かず、動くところはちょこまか動きすぎ。とても素人くさい。のはアイドルだから別にいいのか。
アニメ版ではよく判らなかった監督の性格。映画版ではしっかり方向付けがなされており○。

アニメ同様面白くなかったけど、見てない人に「そんな映画作るくらいなら被災地に寄付しろ」と言われるほど酷くはなかったです。映画としての体裁は整ってるし。
ただ、アニメにしろ映画にしろ、制作者が野球を知らなさすぎただけで。