[CS] 『パンドラの塔』クリア

Wii 『パンドラの塔』のネタバレを含みます。

ほら思った通りだようわああぁぁ! となりながらもグライアイばーさんの言葉を信じて戦い ―― 『パンドラの塔』クリアしました!

クレジット

このゲーム、どうやらセレスとの親密度を基準としたマルチエンディングを採用しているらしく。わしの出したものは「親密度 S」。クリア後に選べるチャプター選択 » エンディング選択で最も上にあるし多分これが一番 Good! な終わり方。こまめに貢いだ甲斐があったというものです。

クリアデータ

しかしエンディング選択画面によると結末は他に 4 つあり。
イベント達成率を 100% とするには、現状ほぼ MAX の親密度を段階的に下げ、比例してしやわせ度が減っていくと思われるエンディングを見なければならぬと言うことで。……もうここで終わりにしてもいい気がしてきました。
なおクリアするとそのままの状態で「最初から」「#6 から」「#11 から」「#13 から」始めることが可能になります。例えばここで「最初から」を選んで #3 までクリアし一旦セーブ、のちそのデータをロードする際もこのチャプター選択は可能。「#4 から」or チャプター選択、になります。
またグライアイばーさんがカギを売るようになってて、塔の探索中にあちこちで見かけた赤い扉を開けられるように。そこには「……ほう、じーさん、こんなものを」とニヤリとするアイテムがしまってあったりします。
とはいえ「2 周目」というボリュームではなく。クリア後のおまけ要素ですな。

シナリオ。
実に 4 組もの夫婦 ―― ルチルの両親、グライアイばーさん達、セレスの両親、エンデ & セレス ―― が登場し、かつ“新婚の夫婦が陥りやすい負のスパイラル”がゲームシステムの根幹。全ての発端からして約 500 年前の夫婦間のすれ違いであるし。つまり夫婦ゲー。
夫は妻のために頑張って働くんだけど、働けば働くほど結果的に妻はほっとかれる、そして気付いたときにはもう手遅れ。なので夫は頑張りすぎるな。バランス感覚が重要だ。そして帰ったら必ず妻と喋れ。時にはサプライズプレゼントも効果的。妻は妻で夫を信じてやってくれ。
恋愛ではなく、そっから一歩進んだ結婚後の生活がテーマ。なのでその概念がそれほど身近でない場合あまり感情移入は出来ないのではないか。そういう意味では大人向けカモ。絵もグロいし。
もうほんとどうしようもないくらい鬱な話から親密度 S のエンディングへ繋ぐ流れは秀逸。『ゼノブレイド』然り、Wii の RPG は基本的にハッピーエンドにせよ、と任天堂からのお達しがある? と思ったくらい素晴らしいハッピーです。
不満点は「エンデとセレスはどんな関係?」の説明が遅いこと。これは最初から教えて欲しかった。

ゲーム部分。
塔の攻略パートは、同種のゲームであるゼルダ等と比べてヒントの出し方が荒削だったり、また謎解きのバリエーションが少なかったりしたものの、おおむね楽しめました。ヒント不足は主戦についても言えますが、ただこちらは敢えてそうしてるのかもしれず。探索中に手に入れた書物を予め読み、相対した主の挙動をしっかり観察しなければ攻略法を見出すことが出来ない。結果的にかなり骨太なアクションゲームになっており。
やっと手に入れた素材をどの装備として合成するか悩んだり、それを装備エリアにどのように配置するか考えねばならなかったり、塔攻略・主戦以外の部分の手応えも上々。アイテム総数も多すぎず少なすぎず、ほどほどかと。
自動的にカメラ切り替わりますが、アングルによって敵との距離感が掴みづらい事が多々。攻撃ボタンを押すと自動的に最も近い敵の方を向いてくれるオプションなどあると良かったかも。コンボ中は(レバーをニュートラルにしてれば)そうなるし。もしくは注目システム。

あとはもう、セレスを好きになれるかどうか。
これがこのゲームを楽しめるか否かの最大のキーポイント。
個人の好みの問題ですが、わしは ―― ちょっと良い子過ぎかな、と。
あとエンデはもうちょっと喋って良いと思う。さすがに無口すぎだろ……。

わし評価:83 点。
鎖のアクションは独特、歯応えのある主戦、シナリオ申し分なし。バランスの良いゲームです。
しかし、Wii だと悲しいくらい売れないわけでー。