[Film] 『逆転裁判』の感想

映画『逆転裁判』のネタバレを若干含みます。

何とか時間作って『逆転裁判』見てきました。

逆転裁判 [★★☆☆☆]

正直期待外れ (´・ω・`)
しかし Good なところもあるので★ 2 つ。

まずは Bad なところ。
脚本が一本調子。
なるほどくんの滑舌が悪すぎ。時々何言ってるのか解らなかった。弁護士なのに。あと“焦る”と“驚く”の芝居が彼にはどうやらひとつしかないらしく、毎回同じ顔で同じ動き。ぶっちゃけ飽きます。
マヨイちゃんケバすぎ。まあこれは単純にミスキャスト。もっと背小さくて垢抜けてない子を使うべきだった。それからピアノいらん。あのシーンでピアノ、はどう考えてもおかしい。追い込まれてんのに。
イトノコを若くした結果、ヤハリとキャラが被りまくってる。なので打ち消し合って残念共倒れ、どっちも印象薄いまま。それからミツルギの「来月の給与査定を楽しみにしておくことだ」は活かして欲しかった。
カルマ検事のキャラがおかしい。なぜ最初にあんなセリフを言わせたのか。だからオチに唐突感がある。今までそんな描写なかったじゃん、的な。
2 度ほどあったレトロなズッコケが寒い。シーンのチョイスも悪い。“ひらひら”で大コケをやりたいんなら、もっとその前に“ひらひら”を押してないと。実際ミツルギの“ひらひら”そんなに目立ってないから、初見だと「……え?」となると思う。原作ファン向けなら納得。
DL 6 号事件は、閉鎖空間であってこそ成り立つ事件でしょう。なぜ変えた。
なぜアクションシーンをぶっ込んだ。
サユリさんは良い。良いが ―― そのセリフは違う。

Good なところ → ゲーム世界の再現度。この部分はもう本当に素晴らしい!
ゲーム本編ではプレイヤーが証拠品を選択するだけで、傍聴席含め裁判所内の全ての人にその証拠品が提示された前提で話が進むけど、映画となるとそうはいかないわけです。だからといって例えば証拠品を証人に“つきつける”際、実際に証人に近寄ってって「くらえ!」とやられてもなんとも興ざめ。てことで ―― 検察官や弁護人その他の求めに応じ、適宜証拠品のホログラフィ映像が大法廷内の空中に映し出され、さらにその映像を『マイノリティ・レポート』ばりに操作可能、という事にしてしまった (゚Д゚) レシートを頭上でくるりとひっくり返す! 「くらえ!」という声と共に証拠品の映像が飛んでいく! これは実に納得できる解です。

ただ、これを可能にしている(らしい)大法廷天井の機器が作動するのを見て、なるほどくんと傍聴席の人達、ちょっと驚いてたんですよね。彼らには見慣れたもののはずなのに。なるほどくんに関してはそれまで大法廷で戦うような案件を扱ってなかったから、かもしれないけど。細かい所だけどちょっと違和感。

しかしよくよく考えてみると ―― そもそもゲームの本編が“追い込まれる → 誰かが助けに入る or 自分で閃く → ひっくり返す”の繰り返しなんだから、映画にすると一本調子になるのは当たり前と言えば当たり前かも。
そんな難しい素材を、とりあえず映画として見れるレベルにまで持ってきた、というのは実は大健闘じゃないかしら。

傍聴席の巧周氏と“トノサマンのテーマ”が見所聞き所。