[映画] 『プペル』の感想

前日の話になりますが、『映画 えんとつ町のプペル』見てきました。
……わしは単純に泣き虫なので何のバロメーターにもならないと思いますが、4 回くらい泣きました。ええ話や;;
18 日時点で動員 100 万人の興収 14 億。……いやもっと行っておかしくないのになー、と思うよい作品でした。
『ヒックとドラゴン』然り、わしが面白いと思った映画はたいていそんな売れない。

映画 えんとつ町のプペル [★★★★☆]

見終わった直後の感想 → 「これは ―― 怒りか自虐か」

原作者氏はとてもエキセントリックな方のようで、それ故かネット好感度がすこぶる低く、まとめサイトでも映画の内容や、そのチケットの売り方、オンラインサロンの活動内容等で色々叩かれております。
しかしこの作品の主人公は「だれか見たのかよ!」と周囲の大人たちを力づくで黙らせた。これは原作者氏の心の叫びかな? と。

君たちが悪いとは言わない。
その言葉ひとつひとつに理由があることも判る。
だが黙れ。邪魔をするな。

夢を信じるとか、追い求めるとか、そんな生暖かいものではなく、ひどく鋭利で冷たいエゴを貫き通す話に見えました。貫き通せなかった者にとってはある意味恐ろしい作品です。
また同時に、閉ざされた世界の僅かな大人たちすら黙らせられない己の軽さ弱さを笑ってるようにも感じ。

一貫して主人公は“自分が”星を見たい。
もちろん父親の影響もあるだろうけど、父親の代わりに自分がとか、父親の汚名を晴らすとか、そういう悲壮な決意は感じません。
そして実際にそうしたことによってえんとつ町は変化せざるを得なくなるわけですが ―― その結果もし町が不利益を被ったとき、主人公はどうするのか。周囲の大人は。「星が見たかったならしょうがないよね」で済むならばいいけど。
えんとつ町の未来が不安で仕方ありません。レター家 & 異端審問官どうする? 中央との交渉は? 等問題は山積みで。
つまりわしはどっぷり大人側ってことです。

個人的マイナスポイント。
ややテンポが悪い。プペルとの出会いからスコップ登場まで。スコップとブルーノの長回し。挿入歌。もっとコンパクトな方がわし好み。
あとなんでプペルはアントニオに喋っちゃったのか。黙ってて、と言われてたのに。そこだけ「ん?」となりました。