[DQX] プロデューサーとは

スクウェアは貴族でエニックスはヴァイキング? 人たらしでヒットに導く齊藤 P に見る“優秀なゲームプロデューサー”【齊藤陽介 × 藤澤仁 × ヨコオタロウ × 安藤武博:座談会】

実に興味深いインタビューでした。
正直な話、齊藤氏ってずっとよく判らないと思ってて。何考えてあんな P 掛け持ちしてるのかとか。P って言ってしまえばケツを拭く役なワケです。ケツが多いとその分リスクも高いワケです。

齊藤氏:どの役職も 2 ~ 3 代繰り返しているなかで、プロデューサーだけ変わっていないというのは、組織としてはあまり健全じゃないなと。天井がつかえちゃっているから。

なるほど。小さい会社とか開発を請け負う会社の P となればまた話は違ってくるんでしょうが、スクエニという大企業の P として、あと取締役としてはその辺も考えねばならん、と。

青山さんが技術の役職で今より上にいくってなると、もう CTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)ぐらいしか残ってなくて。でも CTO というのは天才肌の人がやるところで、青山さんは天才肌のスペシャリストというよりゼネラリストだと思ったから。

人を見るチカラって言うんでしょうか。わしも、業種は違うけど P 的なロールを担当しておりますが、青山氏の経歴見たら「あぁこのひとは天才肌、ぜったい外向けの仕事は回さないでおこう」となります。しかし齊藤氏はゼネラリストの素養を見たんでしょう。
齊藤氏の判断が正しかったのかどうかは今後の DQX を見なければ判りませんが、ともあれ見抜ける = 彼は人間が大好きなんでしょうね。と言うか“愛おしい”の域まで到達してる可能性もあります。P なんていちばん疑り深い人間がなるもんなのに。
だって結局は“他人の作ったもの”を売らなきゃならんわけです。疑り深くもなります。

氏の今後の活動。

技術力が高すぎて「大手企業がバックにいるのでは?」と噂されていた VTuber 集団、実は『ドラクエ X』『ニーア』のスクエニ齊藤 P によるバーチャルアイドルグループだった──「GEMS COMPANY」珠根うた含む各メンバー総まとめ

VTuber なんて言葉が出来る前から作り始めてたとか、ほんっと新しいことが好きですね! 褒め言葉ですが、その己の年齢を無視した“節操の無さ”は是非見習いたい。わしも節操のない方だとは思うけど、なんかレベルが数段違う。いやもちろん氏はこれでメシ食ってるって言うのもあるんだろうけど。それだけじゃない気がするんですよね。こういうの好きじゃなきゃ。
ちなみにわしはみずしー chan がすきです^^ ゆるーい喋りと歌ったときとのギャップがたまらん! もちろんフォロー & チャンネル登録済み^^

ところでわしアマチュアの弾き語り配信好きでよく見てるんだけど、自宅? でやるとかスゴいよね。自室をスタジオみたくしなきゃなんないと思うんだけど。……みんな田舎住み?

齊藤氏:「『ドラクエ』はやりたくない」って、ずっと言い続けていた。そもそも凄いプレッシャーがかかることが分かっていたので自分には荷が重いし、マジョリティよりマイノリティを選択してきたのが自分だったので。

今だから言える真実。

── まとめると「プロデューサーは人たらしであれ」ということですね(笑)。

やっぱりそうかぁ。人間が好きじゃなきゃ P はやってられんぞと。

── でも、新しいことは若い人がやるものだ、とも思うんですよ。そうじゃなくて、オッサンたちは新しいことをやって、若い人に『ドラクエ』をやってもらいたいというのは、どういうことなんですか?

確かにそうかもね。どう足掻いても高齢化社会ってこともあるし、安定した、計算出来るところに若い子を据えて経験を積んでもらって、自分らは己の経験とカンを活かして新しいことを! って方が自然なのかも。そもそも“若い子”の母数が少なくなっていくわけで。もちろんその少ない若い子の中に天才が出てくるならそれはそれで喜ばしい。
今後の日本はこのヤリカタがデフォになるのかもね。すなわちオッサンとオバサンはとっとと席を空けろと。へいへい。

P は現場に口出すな、ってのには 100% 同意。
相談されれば己の見解を述べるし、たとえばトラブルがあれば解決のために動くけど、基本は任せてますね。
なんで P はいちいち口を出すのか。

1 つのゲームしか担当していないプロデューサーって、めっちゃヒマだと思うんですよ。

ヒマだから。納得。

DQXI 。

齊藤氏:『XI』はもう流れ弾です。もともと『ドラクエ XI』をやる予定はなかったですから。

吉 P と同じく、立て直し役として呼ばれた。なるほど。

齊藤氏:オッサンたちはべつにいいんだけど、若い子たちとは一緒にお酒を飲みに行く。飲まない子たちとは一緒に『モンハン』をやる。『モンハン』をやらない子たちとは一緒にバスケットをやったり、バーベキューをやったり、休日をフル稼働して一緒に付き合うとか。

やべえこのひとすげえ……;; むりだ、わしには無理だ……。
人をほめるのが苦手 → なら人をほめなくてもいいような状態を継続する、ってのもすげえ。
その後のタイプの違う D の性格をきっちり言語化してるところもすげえ。ヨコオ氏はちゃんとしてるからちゃんとしてない人が居るとキレる、藤澤氏はちゃんとしてないヤツは放っておけば良いと思うタイプ。

齊藤氏:企画の良い悪いはともかくとして、30 分とか 1 時間ぐらい話していると、言い方は悪いけど、その人が仕事できる人なのか、できない人なのかぐらいは分かるから。

人が好きで、たくさんの人と出会ってきたからこそですかね。
わしは全然判りません。と言うか「この人は大丈夫だ」と感じたことが一度もない。なので企画書とか数字が全てになりがち。だからなっかなか下が育たないんだよね! 判ってるんだよちくしょう!

それはともかく企画に関しては、2 年間数年間ゲームを作る過程のなかで自分が楽しいと思えるかどうか、2 年間数年間同じテンションで愛せるものなのかどうかが、重要なんじゃないかと。

人と、作品を愛せと。嗚呼……。

……なぜ素直に愛せるんだッ! 他人じゃないか! そして他人の作品じゃないか! くそッわしにはできないッ! だとすれば自分は人間として何かが足りてないのか、そしていまの社会的に与えられたロールは愛の足りぬわしには致命的なほどに合っていないのじゃないか、ではどうすればいいんだ ―― とそんな記事でした。