[Film] 『マネーボール』の感想

映画『マネーボール』のネタバレを若干含みます。

毎月 14 日は TOHO シネマズデー ヽ(`Д´)ノ

マネーボール [★★★☆☆]

ビリー・ビーンがエキセントリックすぎてどうにも。
実際にそういう人物なのかもしれないけど、あれではなかなか観客の共感を得られないように思います。……実際共感できず (´・ω・`)
頭の古い野球人達を相手に激しいバトル、もしくは粘り強い交渉説得を見せてくれるわけでもなく、ただ彼らを一方的に振り回しただけという印象。噛み煙草をくっちゃくっちゃペッ、てしながら。そうすることが可能な立場の人間が己に許された権力を行使した、だから何?
特に監督とはもっとよく話さないと。
またその“振り回し方”も、土台は出塁率なんかを元にしたデータらしいものの ―― 結局は己の直感じゃ? と言うか、そのデータを使ってたのは主にピーターだし。
理論は(のち多くの球団 ―― 金持ち連中ですら真似したらしいから)素晴らしいんだろうけど、なるほどアスレチックスではビリーの人間性が原因で失敗したんだな、という感想になります。
だってそういう描き方だし。

終盤にピーターが見せたあのビデオの意味がちょいと難しい。
あなたは二塁に行けずまた負けたと思っているけど、実際はホームラン = レッドソックスから過去最高額の GM 就任オファーを get した。あなたは勝ったんだ。ってこと?
とは言え、アスレチックスは以降もワールドシリーズ勝てておらず、さらに近年は観客動員数減少に頭を悩ませてるらしいですが。
中日の落合監督みたいに「勝てるけど客が呼べない」でクビ切られることもあるし。……勝てて、かつ客も呼べないとダメだと。しかもありもしないカネを使うことは許されない。プロスポーツ界って色々大変です。

選手にトレードを宣告したあとの“間”が実に良い。
が ―― なぜか全員同じ“間”。
しばらく黙る → 「OK」 or 荷物持って出て行く。これが気になりました。
一人くらい怒ったり、逆に「あーそっすか」みたいにアッサリ受け入れる選手が居たって良いと思います。プロなんだし。この映画に限っては“間”を入れて「選手も一人の人間だ」みたいなアピールをしたところでテーマがぶれるだけでは。徹底的に選手 = 駒、として描いて欲しかった。そういう理論なんだし。そこにあるのはデータのみ。

個人的には、期待したほどの出来ではありませんでした。
これはベースボールムービーではなく、ビジネスムービーですね。
さらに言えば ―― エキセントリックな人間って嫌いなんですよね (´・ω・`) だってウザいし。例え有能であったとしてもああ言うのと一緒に、もしくは下で仕事するのは絶対に御免被りたい。