[蹴] 条件付きの「自分たちのサッカー」

JPN 0:0 GRC (´・ω・`)

前半ギリシャに退場者が出た瞬間、これはヤバイ! と。
欧州屈指の防御力を誇るギリシャに「10 人なっちゃったしもうしょうがないよね」とガッチガチに守られたら日本にはきっと崩せない。アジアでもそう言うチームには苦戦するのだし。
そしてその通りの結果となってしまいました。嗚呼。

初戦の反省から慎重にやった結果か、直前に雨が降ったというピッチコンディションの影響か。
この日の日本代表、パスは繋がっているのだけど、そのボールのスピードがやたら遅い。確かに日本はパスサッカーのチームですが、あんなゆるーいパスじゃ「どうぞ足出して引っかけて下さい!」つってるようなものだし(ギリシャはそうするより素早く戻って待ち構えるチームだからそう言うシーンは少なかったけど)、攻めるにしても時間かかってしょうがありません。
そんでトラップも乱れすぎ。その度にターンして持ち直したり何たり。この日の日本代表はぶっちゃければ全員がすごくヘタクソに見えました。

さて相手に引かれて守られた場合、教科書通りの対応としては。

(1) ミドルシュートを撃ってディフェンスを前に出させ、空いたスペースに選手が走り込むようにする。
(2) 相手は足を止めて待ち構えているので、そこから急にスピードは上がらない。のでこちらのプレーのスピードを上げ、局面局面で後追いさせるようにする。
(3) ヘディングの強い選手が複数居るなら、その選手を前戦に上げ彼らめがけて徹底してクロスを放り込む。

日本代表はパスサッカーのチームです。引かれて守られた場合、相手選手間の距離が近くなってパスを通しにくくなるし、動けるスペースも少なくなるので、早急に何とかしなければなりません。
当然まずは (1) をやる。遠い位置からでもシュートを撃たれるってのは嫌なものです。それで点が取れなくても、相手が疲れてきた頃に満を持して (2) で何とかなるかな! と思ってたんですけどね……。
後半入っても誰もミドルを撃つ気配がなく。時計が進んでもスピードのある選手を投入するでもなく。最終的に (3) をやり始めました。えっ……。

と言うか (3) は、前提条件として“ヘディングの強い選手が複数”必要です。複数居るから誰にボールを合わせてくるのか判らない。守る側としてはそれが怖いのです。
さあ今からパワープレーするよ! と長身の吉田選手を前線に上げました。しかしいまの日本代表には他に長身選手居ません。大迫選手は既に交代してます。ほか岡崎選手はヘディング強いけど長身ではありませんしプレースタイルからして違います。
つまり前線には吉田選手 1 人です。
「……ああコイツ狙ってくるんだな」 ← このパワープレーに意味はあるのか。
吉田選手が落としたボールに誰かが絡めば、という意図だったのかもしれませんが、そのサポートも遅い。ほとんどギリシャに拾われてました。
むしろ吉田選手は囮にして、この選手に上げてくるのだろうと思わせておいて低くて速いボール、とすべきだったように思います。

いや、(2) も何度かトライしてたんですけどね。内田選手 → 大久保選手も、誰だったか失念 → 吉田選手も決められず。決めることが出来なかったので、監督としては (3) を選択せざるを得なかったのかも知れません。
そこで決められないのは、そのプレースピードに慣れてないから? であれば全体的なプレーのスピードを上げること、が今後の課題でしょうか。それでミスを極力少なく。

日本が“自分たちのサッカー”を披露するにはどうやらいくつか条件が存在するようで、まず『ピッチコンディションが万全であること』、そして『相手が攻撃してきてくれること』。
遂行するのに条件が必要な“自分たちのサッカー”は、果たして“自分たちのサッカー”と言って良いものでしょうか。それなら 4 年前の守備戦術の方がより“自分たちのサッカー”と言えるんじゃないか、って気がします。専守防衛。

決勝 T 行くのは非常に厳しい状況ですが、可能性がなくなったわけではありません。コロンビアはある程度攻撃してきてくれるチームです。“自分たちのサッカー”も披露できるでしょう。是非勝って戴きたい。